日本の津々浦々を訪ねる旅で参考になるのが、司馬遼太郎の「街道をゆく」全43冊である。北は北海道から、南は沖縄諸島まで、ほぼ、日本全国を旅している旅行記なのだが、いたるところに、日本人とは?についての考察がちりばめられている。実は日本だけではなく、日本の歴史に関係したオランダや中国、台湾、アイルランドなどにも出向いて、考察しており、大変面白い。文庫本も出ているし、最近のものは大きな活字で年配者にとってもありがたい。もう30~40年前に出版されたものだが、版を重ねて、根強い人気を保っている。この紀行文を参考に車中泊の行先を決めるのもいいもんだ。もっとも、離島の壱岐や沖縄諸島の島々についての記述があるが、島国の宿命で、本州からそれらの島々に渡るのは、そう容易ではない。まずは、おも立った歴史の舞台を訪ねてみることから始めたら良いのである。

本では、東京から遠くになるにつれ、飛行機を使って訪ねている場合が多い。車中泊なら、もちろん陸路とフェリーを使って訪ねることになるのである。車中泊で「街道をゆく」を訪ねる旅の魅力について、第1冊目の最初の文「湖西のみち」を例にして、語ってみたいと思う。

湖西とは滋賀県の面積の大部分を占めている琵琶湖の西岸のことである。この項ではすでに「日本民族はどこからきたのか」といった問いかけがあるのである。そして、地元の郷土史家の案内で、車に乗って歴史上で興味があるところを巡るのであるが、ガイドブックに載っているようなところはあえて避けている。だから、初めて行くところを車中泊で巡る場合は、ガイドブックに載っているところを加えて、巡るのが良い。「街道をゆく」では作者と関わりのあった人々の人物像まで描写しているので、その土地特有の地質にも触れることができる。これはかなり参考になり、例えば、車中泊で泊まっている道の駅の近くの居酒屋に入った時の雰囲気などが、想像できるのである。「街道をゆく」に出てくる名刹や古刹はカメラに納めるほうが良い。そして、文章の内容が現在と比べてどうなっているのかを克明に記録することである。何十年もたった後の移り変わりは、面白いことになるはずである。むしろ、この移り変わりによる違いにスポットを当て、いろいろと考えてみるのが、魅力ある旅になるのである。加えて、文章にない路地裏に入って、こんなところもあったなんていうのも、面白い。「街道をゆく」はあくまで、旅にいざなう羅針盤である。自分の思いや感想に正直になるべきだ。

また、おこがましいかもしれないが、現在の視点での感想はオリジナルで自分だけのものだ。これを記録することで、車中泊が輝きを増すというものだ!時代を経た「街道をゆく」、自分だけの「街道をゆく」ができるはずである。「街道をゆく」の文庫本はかさばらない。これを携えて、日本を巡る旅にいざ、出発しよう!そして、旅から帰ったら、写真と共に、投稿し、記録しよう!車中泊が一段と魅力あるものになるために!